歌へのリンクは文中にあります 久しぶりにオペレッタ。大好きな「メリー・ウィドウ」から、ダニロが登場する時の歌です。 メリー・ウィドウのあらすじは、以前第二幕の「戯れと二人のワルツ」のＭＩＤＩを作ったときに 書きましたので、そちらをご覧下さいませ。→こちら さて、今回アップしたのは、男主人公であるダニロ＝ダニロビッチが登場するときの歌です。 単独の独唱作品としては有名ではありませんが、 舞台を見たことがある方にとっては、かなりインパクトが強い曲ではないでしょうか。 ハンナがパリの男と結婚してしまっては祖国の一大事！ 「嘗てハンナと恋仲だったというダニロを呼べ！」というツェータ男爵の命を受け、 やっとのことでダニロを探して連れてきた下僕のニエグシュ。 祖国がお呼びです！とダニロをひっぱってきたものの、 「僕は来たぞ～！僕を呼んでたっていう祖国閣下はどこにいる～？」 となんだかもう出来上がっている様子。 当然、この歌も、直立不動で朗々と歌うなんてものではありません。 いろいろありますが、 帽子を脱ぎ、上着を脱ぎ、ステッキを放り、ニエグシュがかき集めていく演出あり、 ステッキ片手にあっちにふらふらこっちにふらふらの酩酊状態で踊るものあり、 階段から手摺に捕まってなんとか下まで降りてくるものあり、 椅子に寝っ転がって歌っている時間が長いものあり、 何だか狭い暖炉(?)の中で窮屈そうに歌っているものあり そして、どんな演出でも最終的にはだらしなく横になって鼾をかくというていたらく。 それもこれも、嘗ての恋人ハンナを忘れなれないが故、 自分に話もせず大富豪の老人と結婚してしまったハンナへの憤り 親類に「平民との結婚は許さない」と言われ、気持ちを貫けなかった自分への後悔。 今の彼は目の前の物からは逃げを打ち、 仕事には身が入らず、夜はお気に入りのキャバレー「マキシム」に入り浸り！ 祖国のことは大切であっても、昔のことを思い出したくなくてひたすら遊び呆けています。 もう、歌詞を聞いただけで「ああ、この人、ダメダメな人なんですね」と印象付けられる、そんな歌です。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊  「ダニロ登場の歌」(mp3)原文の歌詞は次の通り Oh Vaterland, du machst bei Tag mir schon genügend Müh' und Plag'! Die Nacht braucht jeder Diplomat doch meistenteils für sich privat! Um eins bin ich schon im Bureau, doch bin ich gleich drauf anderswo, weil man den ganzen lieben Tag nicht immer im Bureau sein mag! Erstatte ich beim Chef Bericht, so tu' ich's meistens selber nicht, die Sprechstund' halt' ich niemals ein, ein Diplomat muß schweigsam sein! Die Akten häufen sich bei mir, Ich finde, 's gibt zu viel Papier; Ich tauch' die Feder selten ein und komm' doch in die Tint' hinein! Kein Wunder, wenn man so viel tut, dass man am Abend gerne ruht und sich bei Nacht, was man so nennt, Erholung nach der Arbeit gönnt! Da geh' ich zu Maxim,dort bin ich sehr intim, ich duze alle Damen,ruf' sie beim Kosenamen: Lolo, Dodo, Jou－jou, Clo－clo, Margot, Frou－frou, sie lassen mich vergessen, das teure Vaterland! Dann wird champagnisiert, auch häufig cancaniert, und geht's ans Kosen, Küssen, mit allen diesen Süßsen: Lolo, Dodo, Jou－jou, Clo-clo, Margot, Frou－frou, sie lassen mich vergessen, das teure Vaterland! また、歌詞を収めるために、音楽の区切りそのものを変えてしまったところもあり、 まことにいつものことながら、不届き至極な状況です。 以下、管理人のでっちあげ歌詞です。歌とあわせてご覧くださいませ。 祖国サマには、昼の日中には、この身を削って、御奉仕しますが、 事務所は退屈、報告はだるい、書類は面倒、量も多すぎる！ 面会時間は、守らないことさ 外交官なら、無口が第一 ちょっと手を抜けば、書類は増えてく 積もりに積もって、ついに崩れ去る。 終業時間が、やがて来たらすぐ、急いで飛び出て、気晴らしするのさ！ あのマキシム！夢の世界。 カワイコちゃんと お喋りするさ ロロ、ドド、ジュジュ、クロクロ、マルゴ、フルフル やがて忘れる、祖国の姿！ シャンパン空け、カンカン(ダンス)踊り、カワイコちゃんにキスをするのさ ロロ、ドド、ジュジュ、クロクロ、マルゴ、フルフル やがて忘れる、祖国の姿! ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ クラシックの歌の場合、ボーカロイドのポルタメント機能は殆ど使わずにきたのですが、 この歌の場合は、かけた方がしっくりくるような気がして多用しています。 歌謡曲とまではいかないけれど、正統派オペラアリアよりは随分ミュージカル寄りの曲だと思います。 さて、実は、今回、オーケストラのフルスコアは手元にありませんでした。 あったのはボーカルスコアと１stヴァイオリンパート譜(←何故かこれだけネット上にありました！) そして、「戯れと二人のワルツ」の部分のオケ譜をガン見。 無論ＣＤも聴きましたが、ＣＤからオケ総譜を起こせるようなスキルは私にはありません…… ですので、(特に前半部)私独自の「なんちゃってオケ編曲」が炸裂してしまっていますが どうか笑って勘弁してやってくださいませ…… レハールは、著作権保護没後７０年の国ではまだパブリックドメインではありませんし、 これからもオケ総譜は中々入手できないものと思われます。 ますますサイト上では「なんちゃって編曲」が増えていくことになりますが、どうかお許しくださいませ。 それでは、ここまでお読みいただいてありがとうございました。 |