歌へのリンクは文中にあります さて、今まで断続的に更新して参りました「メリー・ウィドウ」の音楽。 「いつか、いつかきっと全曲アップを！」 と実現の難しい目標達成を夢見て、今回もまた一曲アップ致します。 (メリー・ウィドウ全体のあらすじは、以前にご紹介させていただきましたのでそちらをご覧下さいませ。→こちら 今回の曲は、曲目№2。 ツェータ男爵夫人のヴァランシエンヌとパリの伊達男カミーユの二重唱です。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ このオペレッタはハンナとダニロの恋愛を軸にして展開していくわけですが、 それと共に進行するのが、このヴァランシエンヌとパリの伊達男カミーユの「火遊び」の恋。 ヴァランシエンヌはポンテヴェドロ公国公使のツェータ男爵の奥さんですから これはもう浮気であり、不倫であり……人目を忍ぶ関係であることは間違いありません。 この曲でも、人の居ないところにヴァランシエンヌがカミーユを呼び出しています。 カミーユは甘い時間が始まる予感にワクワクしていますが、 ヴァランシエンヌが告げたのは 「私は貞淑な人妻なのよ！お別れしましょう」 という言葉なのでありました。  →こちらをクリック「私は貞淑な人妻」(mp3)(例によって日本語歌詞は、一応原文を日本語訳して参考にしておりますが、 逐語訳でも意訳ですらなく、 歌いやすいように意味を変えてしまっているところもあります。ご注意下さい。 さらに、後ほどコメントしますが、一般的な演奏よりずっとずっとテンポがゆったりしております<(_ _)> ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 赤字…ヴァランシエンヌ 青字…カミーユ さあ、ここに 誰もいないわ ああ、僕は幸せ者だ！ お話があるのよ 君に愛を告げたい 待って、駄目よ、聞きたくないわ この胸の想いを ただ一度だけでも 黙って！ 苦しいのよ 終わりにしましょ 終わりに？ 結婚なさいな そんなこと！ 君の他誰も愛せない ああ、まって、あなたは わかるでしょう？ 私は真面目な人妻なのよ？恋の火遊びは 危険でしかないの いけないことだわ 実りはしない わかっているでしょう 駄目よこのままじゃ 全てを捨てたり できはしないのよ 今すぐここで お別れしましょう いいこと わかって 火遊びは終わり 心の 炎は 消さなくちゃダメよ 火の粉が 飛び散れば 不幸になるだけ 注意を しなくちゃ お別れを しましょう あなたは 人妻 わかってはいるけど でもそんなお願いは 僕には 無意味だよ 実らぬ恋でも 構いはしない 時が流れても 今のままずっと 危険は承知 耐えてみせよう あなたのことは 諦めない いいこと わかって 火遊びは 終わり 心の炎は 消さなくちゃ 駄目よ わかって いるのさ 口だけだね わかって いるんだ 口だけだね 火の粉が 飛び散れば 不幸になるだけ 愛してる このまま 二人で 注意を しなくちゃ お別れをしましょう わかって いるのさ ずっと このままで 以下、ドイツ語原文 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 納得しないカミーユにヴァランシエンヌは手持ちの扇に 「私は貞淑な人妻です」と書きますが カミーユはその裏に「僕はあなたを愛してる」と書いてしまい、 この扇があとでひと悶着を巻き起こします。 歌詞だけ見ると、ヴァランシエンヌは別れたがっているように思えますが、 かなりよろめいてしまっているのは確か。 但し、どの程度本気の浮気なのかは、演出によって異なるところ。 浮気も不倫もバレなければいい！とばかりに逢瀬を存分に楽しむ大人が二人。 としてもいいですし、 心から惹かれあった、どこかしら純情を感じさせる若い二人。 というのもアリかと。 (どうも前者の演出の方が圧倒的に多いように思います) 私自身は、「昔キャバレーの踊り子だったヴァランシエンヌは、恋らしい恋を経験しないまま ツェータ男爵に見染められ、男爵を深く愛しているけれど、若いカミーユに恋されてドキドキしてしまい… カミーユの方は、美しいヴァランシエンヌに夢中で本気の恋ではあるけれど、数年たったら 「あのときは若かったんだなあ、僕も」なんて回想して懐かしい思い出の一つにしてしまうのでは ないかな、と思っています。 ボーカロイドライブラリは 初音ミクV3とボカロ先生(V2)を使いました。 初めはがくっぽいどNATIVE(V3)を使っていましたが、音域的に合わないようです (私のスキル不足かもしれません) ミクさんは発音に関しては優等生ですが、ライブラリを使う度に 「ああ、そのままではクラシックに向かない声質だなあ」と思ってしまいます。 (これも私のスキル不足かもしれません…おそらくそうです) ただ、メリーウィドウのような「オペラとミュージカルの中間領域」にあたる 作品では、古典的なオペラアリアを歌って貰った時よりも違和感は薄いように思えます。 さて、テンポの事ですが、曲の初めの部分が、異様に遅くなっています。 スコアに示された速度記号ではこのくらいなのですが、 本来はもっともっと速く、快活な部分でして…… プロの演奏を、どこかで聞いていただければ幸いです。 |