プッチーニ作曲 1912年初演
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小さな曲ですが、テレビＣＭにもよく使用され、 2002年の紅白歌合戦でも歌われたのでご存知の方、極めて多いと思われます。 伸びのある声をもった歌い手さんの演奏を聞くと、涙が出てきそうに美しい曲です。 このサイトで鳴らしている音ではアリアの歌声の美しさは微塵も感じられませんが、 そこはそれ、どうぞ許して下さいませ。 私がこの曲に出会ったのは、かなり古いことで、もう覚えてもいないのですが、 作曲者がプッチーニさんだと知って、 まずい、これはまずいぞ！ と思いました。 なぜって・・・・・プッチーニのオペラといえば トスカ 反体制派の画家カバラドッシは親友の国事犯をかくまっていた。 カバラドッシの恋人、歌姫トスカは、警視総監スカルピアの計略にはまり、 自分のせいでカバラドッシは処刑されてしまうことになります。 トスカは恋人の助命を彼に哀願し、スカルピアは 「お前が俺のものとなるなら銃殺刑と見せかけるが、空砲を撃つようにしてやろう。」 と、部下に指示します。 部下が去っていった直後、ナイフを手にしてスカルピアを殺害するトスカ。 彼女は刑場へと向かう恋人のもとに駆けつけ 「銃は空砲よ。心配しないで。倒れたふりをして頂戴。」 と囁きます。 やがて刑場に鳴り渡る砲声。 ・・・・・・・・・・ もう起きていいのよ。と倒れた恋人のもとに 身を寄せたトスカは彼が死んでいることを知ります。 スカルピアには初めからカバラドッシを助けるつもりなどなく、命令も嘘だったのです。 スカルピアを殺したことに気づかれ、追っ手が迫ったことを察したトスカは 刑場の城壁から、遥か下の紺碧の海にその身を躍らせるのでした。 ラ・ボエーム 舞台はパリの安アパート。 詩人、画家、哲学者・・・・・芸術家たちが貧しいながら生き生きと暮しています。 そこに住むようになったお針子ミミ。 彼女は詩人のロドルフォと恋に落ちますが、肺病を患っていました。 ロドルフォは、彼女の為には金持ちのパトロンのところに行く方がいい、と思い、 自分の病気の重さを知ったミミもロドルフォに迷惑をかけたくないと、 想いを寄せ合っているにも関わらず二人は別れます。 しかし、しばらくたったある寒い朝、ミミは雪の中に倒れておりかつて暮したアパートに運び込まれます。 彼女は死期を悟り、ロドルフォのところで死にたいとパトロンの家を出てきたのです。 「ここはなんて素敵なの。生き返るよう。また元気になれるわ。皆笑顔で私を見てくれている。」 ロドルフォや友人達に看取られながらミミは死んでいきます。 蝶々夫人 日本に赴任したアメリカ海軍中尉ピンカートンは蝶々さんと結婚します。 蝶々さんは彼を心から愛していますが、ピンカートンは彼女を慰めのための女としか見ていません。 ピンカートンのためにキリスト教に改宗し、すべての親戚から絶縁された蝶々さん。 残ってくれたのは忠実な女中、鈴木さんだけでした。 ピンカートンはすぐに帰国してしまいますが、蝶々さんは彼を信じて待っています。 しかし、３年たって再び来日した彼の横にはアメリカ人の妻が寄り添っていました。 蝶々さんはピンカートンとの間に生まれた子供に目隠しをし、 右手に日本の市松人形、左手にアメリカ国旗を握らせて自分は短刀で咽喉を突きます。 こういった作品を作ってきたプッチーニですから、 この曲の哀調を帯びたようなメロディーを聴いた私は 「おお、きっとこの子は恋人と思っている男に実は騙されているのだわ。 お父さんに、“お父さま、彼はとても素敵な人なの。指輪を買いに行かせて。 もしも駄目って言われたら川に身を投げてしまうわ。” なんて歌っているけど、男がもの凄く悪い奴で、結局それに気づいた娘は 歌のとおりに川に身を投げるのだわ。そして、娘の仇をとろうと 父親の復讐劇がはじまるのだわ！！」 などと思っていました。 ら、 全く違いました。 ジャンニ・スキッキ。プッチーニの唯一のオペラブッファ（喜劇的オペラ）なのですね。 13世紀末のフィレンツェ。資産家の老人が死に、その遺言とは「すべての遺産を慈善事業に」。 収まらないのは親戚連中。遺産をなんとか自分達のものに！ということで、 老人の遺族の一人である若者の恋人ラウレッタ（これがこのアリアを歌う女の子です） の父、頭がまわると評判のジャンニ スキッキに相談します。 ジャンニ スキッキは 「ならば、亡くなった方がまだ生きていると偽装して、新たな遺言をすればいい。 私が替え玉になりましょうぞ！」 といい、一同もいい考えだと賛成します。 呼ばれた公証人の前、ベッドに横たわり老人に化けたジャンニは 現金と、いくらかの資産は親戚達に残すことを遺言しますが、 「フィレンツェの屋敷と、郊外の工場とは・・・・・・・ジャンニ スキッキに！」 と宣言します。 親戚一同、“嵌められた!”と悔しがりますが、 今回のことが明るみに出れば、詐欺を働こうとしたことになって 法律では腕を切られて街から永久追放です。手が出せません。 こうしてジャンニ スキッキは莫大な財産を手に入れ 若い二人を祝福してめでたく幕がしまります。 ・・・・・・・・・・・・アリアから受ける印象とまったく結びつかないんですが・・・・ まあ、おめでたいので、よし、としましょうか(^^) 戻ります |